種苗法の一部を改正する法律案(概要)について
種苗法の一部を改正する法律案(概要)について
平成19年10月
農林水産省
Ⅰ 趣旨
育成者権が知的財産権として定着し、その価値が高まる一方、育成者権の侵害が疑われる事例が増加している状況にかんがみ、侵害行為を抑止するとともに事後の救済の円滑化を図るため、育成者権侵害罪の罰則を引き上げるほか、虚偽の品種登録表示を禁止する等の措置を講ずる。
Ⅱ 法案の内容
(1)権利侵害に対する訴訟上の救済を円滑化するための規定の整備
特許法等の知的財産権法にならって、以下の規程を整備する。
①侵害物品の譲渡数量に、正規品の単位当たり利益の額を乗じた額を損害額とすることができることとする。(第34条関係)
②侵害の事実を否認する被告は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならないこととする。(第36条関係)
③その他、当事者による鑑定人への説明、裁判所による相当な損害額の認定、営業秘密についての秘密保持命令等の規程を整備する。(第37条から第43条まで関係)
(2)罰則の引上げ
特許法等他の知的財産権法にならって、以下の罰則の引上げ等を行う。
①権利侵害に対する罰則の引上げ(第67条及び第73条関係)
懲役3年以下 又は 罰金300万円以下(法人は1億円以下)
懲役10年以下 又は/併科 罰金1000万円以下(法人は3億円以下)
②詐欺行為で品種登録を受けた者に対する罰則の引上げ(第68条及び第73条関係)
懲役1年以下 又は 罰金100万円以下(法人は100万円以下)
懲役3年以下 又は 罰金300万円以下(法人は1億円以下)
③秘密保持命令違反に対する罰則の整備(新設)(第70条関係)
懲役5年以下 又は/併科
罰金500万円以下(法人は3億円以下)
(3)表示の適正化等
①登録品種でない種苗について登録品種である旨の表示又はこれと紛らわしい表示を付すことを禁止する(新設)。(第56条、第69条及び第73条関係)
懲役3年以下 又は 罰金300万円以下(法人は1億円以下)
②登録品種の種苗を業として譲渡する者は、当該種苗に登録品種である旨の表示を付すよう努めなければならないこととする。(第55条関係)
③登録品種の名称について、利害関係人の申立てにより変更を命ずることができることとする。(第48条関係)
Ⅲ 施行期日
平成19年12月1日