茶生産者の決意と緊急アピール採択
全国茶生産団体連合会は7月17日(木)総会で、『緊急アピール~日本のお茶を守ろう~全国10万茶生産農家の叫び』を採択したとともに、会議後直接自民党を訪れ、伊吹幹事長ら三役に会い燃料価格の低減対策などを求めたそうです。
緊急アピールは以下のとおりです。
『緊急アピール』―日本のお茶を守ろう―全国10万茶生産農家の叫び
平成20年7月17日 第72回全国茶生産団体連合会総会
日本のお茶は、わが国農業の重要な農作物として地域産業の振興と自然環境の保全に大きく貢献し、また古くからの伝統飲料として国民生活に定着し、社会生活、文化の発展・向上に大きな役割を果たしてきました。
しかし、日本の緑茶の生産を取り巻く環境は極めて厳しく、急須で淹れるお茶(リーフ茶)の需要は年々減少し、茶の生産者価格は大幅に下落する一方、原油価格の高騰に加え肥料等生産資材価格も大幅に上昇し茶生産農家の経営は自らの努力による克服の限界を超え、茶生産の断念あるいは離農を与儀なくされている状況にあります。
まさに今や、茶生産農家にとって存亡の危機にあり、いずれ日本から緑豊かな茶園と滋味豊かで健康に寄与してきた日本緑茶がなくなることさえ危惧しており、これは生産者および消費者にとって極めて不幸なことです。
その主な要因は、リーフ茶の消費の減少と原油価格の高騰にあります。
よって、生産者自ら決意し、多くの消費者に美味しいお茶を沢山飲んでいただくために次のことを強く訴えアピールします。
1 茶生産者の決意
生産者一人一人が自ら茶の消費宣伝活動を行うとともに一層の経営改善に取り組みます。
①ここでひるまず、あきらめず、踏ん張って美味しいお茶作りに励みます。
②自らセールスマンになって、あらゆる場で、どんな時にも、あらゆる人に向けて幅広く呼びかける「リーフ茶を飲もう運動」に取り組みます。
③茶の生産工程を今一度見直し、さらなる経費削減に努めます。
2 消費者への理解と期待
消費者の皆様方は、日本の気候風土に育まれた天然・自然、安全・安心なお茶を是非とも急須で淹れてご賞味ください。
①お茶は健康効果が高く、大地から育った素晴らしい飲料です。
②お茶を美味しく、楽しく、心を癒して飲むには何といっても「リーフ茶」です。 勿論、水でも美味しく淹れられます。
3 政党、政府への要請
生産者は原油価格の高騰を茶価に転化することは困難です。政党、政府は早急に次の対策を講じられるよう強く要請します。
①農業用化石燃料及び肥料等価格の低減対策を講ずること
さらに、
②抜本的な省エネ型製茶機械の開発
③非化石エネルギーの開発
生産者自身が足元を見直して地道でも生産改善に努め、またその立場、条件に応じて消費拡大運動をされるよう切にお願いしたい。
全生連としてもそれを後ろ盾に強く対外要請活動に努めていくとのことです。
また農林水産省、政党そして全国茶商工業協同組合連合会にも強く協力をお願いしているそうです。
(社)日本茶業中央会の動きにも期待したいところです。
【全国茶生産団体連合会】
http://www.zennoh.or.jp/bu/nousan/tea/index.htm